未来の若者に希う

ボイスで打ち込めるメール。
ピントも合わせず、写る写真。
参考書や事典も引かずに出せる答え。

便利を通り越して、マジックの様な世界観。
もはや、郵便局も、写真屋も、図書館も皆無である。

そして、人間も、怠惰になる恐怖を感じる。
顔を合わせる会話もなく、手の温もりも感じない人間関係。

寂しさを飛ばし、苦しみをスマホの画面で分かち合う。

「わからないことは聞くしかない」
「知らないことは調べるしかない」
しかなかった時代ではなくなった。

瞬間移動する時空を、横行する若者達に、
私達は声をかけることはできない。
「めんどくさい事」
が、経験となり学びになる事を知らない。

画面を見続ける瞳が、止まっている。
与えられし、肉体の全てを動かしてほしい。
老化する前に、魂が退化して行く。

思慮深く、慎しみ深い若者が、巣立っていく事を、次なる時代に願ってやまない。