一夜が明けて

日付が変わって、令和の時代。
そして、変わらぬ朝が来た。

若者達の乱舞した残骸が、街のあちこちに残っている。
エネルギーの雄叫びが、遠くに消こえる。

少子化とは思えないほどの若者達が、歴史ある伝統を、これほど受け入れるとは意外であった。
日本人の血の中に、時代が移り変わる中でも
脈々と流れていたことに、気付かされたのである。

そして、若者達が求めて続けて来たものが、何であったかを、上皇御夫妻の姿の中に見たのである。

偉い政治家が、大学教授が、親が綺麗事の訓示を垂れても受け止めなかった若者達が、お二人には、心の中で、こうべを垂れる姿を見たのである。

歴史に翻弄されながらも、想像を絶する葛藤の中で貫かれた天皇の思慮深さと顕著さ。
お側で、寄り添い続けて来た皇后の慈愛。

これ程の人格が、一代や二代の家系の中で、
出来上がるものではない事を知る貴重な日となったのである。

そして、間も無く、還暦を迎えられる新天皇が、新しい令和の時代をスタートされる。
一般人なら、
「お爺ちゃん、お疲れ様でした!」
と、お祝いされる歳である。

茨の道かもしれない時代を、お二人が無事に歩んでいかれる事を、私達は見守り、祈るしかないのである。