お祭り騒ぎ

外は、しとしと雨が降ってはいるが、物音もせず、静かな部屋の中。

テレビの画面の中は、いきなりお正月が来た様な騒ぎぶりが、まだ止まず。
テレビの音を消して見ていると、厳かな気持ちも薄れてくる。

遠くで、チンドン、チンドン秋祭りでもないのにお神輿の音が、微かに聞こえてくる。
時々、上空に滅多に飛ばないヘリコプターが、
旋回している。

何千年の歴史ある皇室の、天皇即位式典が、
私達の目の前で簡単に見ることができるのは、
本当にありがたいし、冥土の土産にはなる。

しかし、度がすぎると、厳粛なものも軽々しいものになって行くし、取って付けた様な宗教色に見えてくる。

世界は、刻々と時間を刻んで動いている。
悲惨な戦争で、子供達は死んで行く。

特別番組が組まれ、見たこともない様な解説委員やコメンテーターが、
「令和の時代をどう生きるか」
バージョン番組を放送している。

「知らんやん!まだ、今日の0時に始まった時代の事、誰もわからんわー」
日付が変わったくらいで、何も変わらないし、
想像だにできないでいる。

今日という日を、厳粛な気持ちで受け止めて、
それぞれの人の中で、けじめとして、静かに出発すればいいことの様な気がする。