私の中の雪女が出る時。

一般論だと言いながら、良く聞いていると、
明らかに、
「わたし?」の事に聞こえるような言い回し。

話が、白熱して来ると、だんだん質問風になり、意見を求めて来る。
こちらも集中攻撃されてる気分にはなり、
胸中穏やかではないが、声を荒げるのも大人気ないと、しばらくは我慢する。

元来、人は思い込みと決めつけが有り、
「そう言われると思ってました」
なんて言葉が出て来ると、こちらも反論する体制になりだす。

ますます、相手が、立て板に水のごとく話しだすので、こちらが冷めてきて、
「貴方の言う通りかもしれないわ」
と、フェントをかけると、さすがに一歩引く。
て、いうか、気分を悪くした私にに気づく。

上下関係が明らかにある立場で、世間話から、
私自身の深いプライベートに向かって来ると、
「誰に向かって、言ってるの?」
と言う、傲慢な私がいる。

温かな春の日差しの中で、一瞬で冷たい氷のようになる私が現れる。
私の中の「雪女」は、歳を重ねても溶ける気配がない。

成熟した大人になるには、間に合わないかもしれない。
可愛いお婆さんには、到底なれないと、諦めてはいる。