もっと、欲しい

「お金がないのは罪ではないですよ」
と、爽やかに、言われた人がいた。
あまりに堂々と言われたので、目から鱗のようにように、「なるほど!」と受け止めた。

この世の中の仕組みがわかりだした頃から、
お金は権力の象徴であり、人を支配する力を持っていると信じていた。

社会の中でも、家庭の中でも、地位、名誉、お金が、物差しのように使われていたので、反発心はあれど、聞き流してきたのである。

大人になり、色々な人達と出会い、知識を得た頃から、お金が価値観となって行く日本の中で、自分自身も福祉のビジネスに特化してる事に、疑問を抱き始めたのである。

儲けや利益や資金繰りや人材不足に振り回されながら、人を助けたり、貢献したりは出来ず、
本来の福祉の世界とは、真逆の方向になっていく。

「お金がなかったら、どうやって食べていくん!」
と、ほとんどの人が二言目にはいう言葉であるが、食べていくことだけが、生きて行く目的ではないので、仕事がなくなる=食べられへんというのは究極の答えである。

ただ、そんな風に叫ぶ人の手の平には、しっかりと札束が握り締められており、通帳には0の数が増えているのである。

世界一食料を捨てる日本で、餓死することは無いし、リサイクルショップが繁栄している以上、着るものにも困らないのである。

日本という国は、ありがたい事に、贅沢さえ言わなければ、衣、食、住は困らないし、道端で倒れて、お金がなくても、救急車で病院に運んでくれる。

「もっと、お金が欲しい!」
という前に、すでに豊かに暮らしている事に気づかねばならない。

何を求め、何を追いかけて行ってるのかを、もう一度、自分を見つめ直す必要はある。