お医者様は人物で選ぶ

「お医者様は、なんで選ぶ?」
と、聞かれることがある。
風邪などではなく、ちょっと気になる症状があるときである。

たとえば、建物?大病院。
それとも、知名度?有名。
もしくは、人物?信頼度。
私は、昔から、ドクターの人物が最優先であった。

間違いがなかったので、大台越えて、70代まで、大きな病気もせず、おかげさまでした。

家庭を持ち、子供ができると、家族中で厄介になる。
診てもらい、
「大丈夫や!」と、必ず肩を叩いて励ましてくれる先生である。

もちろん専門外の診察も、その先生の紹介で、
急遽であっても、無理が聞く。

紹介状を持って尋ねると、
「〇〇先生に頼まれたら、断られへんな」
と、相手の先生も言われて、診てくださることになる。

先生の先輩であっても後輩であっても、
私の目の前で、お電話されて頭を下げてお願いされる姿を見ると、本当に頭が下がる思いである。

検査の結果が悪く、手術されるようなことになった人にも、
「頑張ってください。この経験が、必ずこれからの人生に役立つ事になりますよ」
と、手を取り、強く握手される。

先生は外科医であり、その手で数え切れないほどの人達に手術を施されてきたが、私は、何よりその握手が神の手だと信じてきたのである。

死ぬまでお世話になりたいと願ってはいたが、もちろん、私より年上の先生なので、残念ながら退官された。

お医者様とは、なるべくなら、長いお付き合いは嬉しくないけど、これからの人生、次なる人物のお医者様を探さなくてはならない。