高齢者の貧困

地球温暖化のせいか、動けば汗ばむほどの暑さの毎日が続いている。
地球規模の問題が山積みの世の中になった。

日本社会も、その余波も受けて、未来に不安はあるが、現実的な問題が、個人の周りにもじわじわと起こってはきている。

伴侶を亡くされた高齢者が、経済的な問題で困られていることを耳にする。

100年寿命と言われるようになり、想定外の経済事情に陥り、手元の資金不足、家、屋敷の維持ができずなど、自分では解決できない問題である。

若い時なら、お金がなければ、働けば済むし、
資産売却も簡単にできる。
高齢者のそんな弱みに付け込んで、
「自宅を手放したい」
と、呟こうものなら、次の日に、弁護士、仲介不動産屋、買い手が、ワンセットで訪ねてくる。

手付金なる帯封ついた100万円ほど渡されて、アレヨアレヨという間に安く叩かれて、売却されてしまう。

高齢者にすれば何が何だかわからない。
相談に来られた時には後の祭り。
「住み慣れた我が家で、生き生き老後暮らし」
なんて吹き飛んで、行く場所もない。

地域ケアシステムなども、市は掲げているが、一人で途方にくれている高齢者は山ほどいる。形だけのものなら、何の効果もない。

座っているだけの、動かない公務員なら、いない方がマシである。
児童の虐待、高齢者の孤独死、後でわかって謝罪しても、失ったものは返らない。

まもなく、動けなくなる日が来るだろう自分事として、切実な思いである。