予定外の長生き

テレビを見ていると、日本は豊かな国に見える。
有り余った食品ロスの報道。
それでも、御構い無しの食べる番組。
芸能人や経済人の、セレブの豪邸や贅沢な暮らしぶり。

パレートの法則で行けば、80:20で、それらの人達は、20%に過ぎない。
私も含めて、後の80%の人達は、
「ヘェー、ホー」
とか言いながら、ドラマの中のような話である。

若い人達は、「今に見ておれ」と頑張れるが、
高齢者の人達は、人生終わった現実に直面している。

日本にはありがたい事に、年金制度があり、
60歳や65歳で、定年になっても、それぞれかけてきた金額によって、年金が2ヶ月に一度支給される。

昔は、「さあ、年金もらって、豊かな老後」
だったかも知れないが、今は想定外のことが起こっているのである。

物価の高い日本で、「年金では、足りない!」
のである。
世界一の長寿国になり、寿命が延びて、コツコツ貯めていた貯金では、とうてい追いつかないのである。

訳あって、年金のない人は、生活保護をかければ、かろうじて餓死する事はない。
医療費、介護費は、大病しても施設に入っても、無料である。

一番困っている高齢者は、中間層の普通の暮らしをしてきた人達である。
働いていた時は、子供達には当たり前の教育をしてやり、冠婚葬祭、親戚づきあいには困らない程度の普通の生活水準であった。

年金にはもちろんボーナスもないし、支給額は、貰っていた給料の半分以下である。
病気すらできない状態である。
長く生きて、貯金や退職金を取り崩してきた結果、思いもよらない生活苦が来るのである。

年金をもらい始めた頃は、まあ、死ぬまではなんとかなる計算違いに、愕然としている高齢者は多い。

「こんなに長生きするとは思わんかった!」
と、嘆いている高齢者が増えているのである。