最後のブログ

ワンルームに、薄紫のオーガンジーのカーテンで仕切られた、両手いっぱい広げた位の小さなキッチン。

なのに、冷蔵庫だけは二台ある。
食料品だけではなく、収納には便利である。


透明感のあるガラス仕様の、ドイツ製のトースターと湯沸かしと、電子レンジだけが並んでいる。

今時の、便利なキッチン用品は何一つないが、優れものの道具が、どんな料理も創作してくれる。

何の取り柄もないが、唯一、お料理が作れる女で良かったと、つくづく思う。
どこに住んでも、一人暮らしでも、食生活には困った事がない。

最近は、ディナー1食、1000円で5品を目指している。
不思議なくらい十分出来て、その上、明日の一品まで追加できるのである。

「私って、天才?」
自画自讃の料理天国

これだけは手放さないぞと、残り少なくなった大好きな食器に、出来上がったお料理を、少しずつ盛り付けているときが、至福の時間である。

「チン!」と、一瞬でできるお料理より、アク抜きしたり、蒸したり、巻いたり、工程のあるお料理が、基本好きかも!

常日頃、悲しいことや苦しいことや寂しいことの題材ばかりが、脳の中を交錯してるけど、
一度、包丁を持ったら、そんな不幸は吹き飛んで、一心不乱で作品作りに夢中になる。

スタンドのライトに照らされて、ガラステーブルの上に、湯気の立つ温かなお料理が並ぶ。
テレビの中で、吉本さん達のにぎやか笑い声が、聞こえている。

いつも通りの、何気ない時間。
今日も、元気で、美味しい食事を頂ける暮らしに、感謝以外ないことに気づく。

静かに、幸せな夜が過ぎて行く。


そして、1年間、私のブログを見て下さった方に、ありがとうとさようならを伝えたい。