私の背中に、
誰にも知らない、
「小さなはね」がある。
ある日、
振り向いて、鏡に映った、
小さな白い羽。
心臓がドキドキ脈打って、
ビブラートする羽が、
飛び立つ時を、待っている。
まだまだ、
「もう少しだけ、生きていたい」
卓袱の闇の中、
輝く青い月に誘われ、
二つ返事の、旅立つ約束、
忘れはしない。
凍える様な、冷たい朝、
透明な雨が、
チラチラと舞い散る粉雪に、変わってく、
花壇の蕾が、
可憐な花に、変わってく、
次元を超えて、
進化してゆく神秘の世界を、
突き抜ける準備を、
「させて下さい」、
大空に、
大きな羽を広げて、
「元、堕天使」が、リベンジする。
復活を見守ってくれたあの人に、
悠々と、飛ぶ姿を見せる為に。
貴方の背中にも、
小さな羽が、あるかもしれない。
もう一度、飛び立つ為に。