立春とはほど遠く、
騙し討ちの様な、吹雪が吹き荒れている。
予定通りに来るはずの春は、
何処にも、気配はない。
「大丈夫よ」と、
当たり前のように、使っていた言葉が、
嘘になる日々が続いてる。
コロナ感染の勢いに、
この寒さが追い打ちをかけて、
心が、折れそうになる。
声を掛け合っていた人達も、
息を潜めるように、
すっかり、遠のいている。
自然の脅威の中、
呼んでも来ない春を待つように、
コロナの風も、収まるのを待つしかない、
閉め切った窓の向こうに、
思い上がった人間の愚かさがある。
人間の無力さを、嘲笑うように、
嵐を止める術も無い。
権力、
金力、
能力、
学力、
体力、
翻弄された上流人の作った世界から、
全ての力を無くしたら、
何が残るかが見えてきた。
力に代わる、
「思う事」から、始まる世界が、
窓の向こうに、存在している。