「町医者」に守られた暮らし

父の年代は

「町医者」と、開業医のドクターを

呼んでいた頃があった。

 

二代に渡って、

民間開業医院をされている所もあり、

お父様を「王先生」

息子さんを「若先生」

親しみを込めて、呼ぶ事がある。

 

診てもらう家族の方も、

「お爺さんの時代から、孫まで」

三代に渡り、お世話になる場合もある。

 

大切な命を、守り続けて下さる、

暮らしの中で、大切な存在であり、

地域の人々にとっては、

命を繋ぐ「安心安全」な場所である。

 

「町医者」と言われていても、

大学の医学部を出て、博士号を取られ、

病院の勤務医となり、開業される、

 

私の、主治医の先生は、

大きな公立の病院の院長を、

数々、されていたので、

「おできから、大病まで」

なんでも相談できたのである。

 

家族も知らない、

自分の身体の状態を知ってる、

先生から、

「まだまだ、大丈夫や!」

と、言われただけで、

血圧は、平常値に戻り、

病気は治るのである。

 

地域を守ってきた医師達は、

患者を守る、応召義務があり、

医療に対して、

主導権を握る政府の対策には、

「はいそうですか」とは言えない、

 

目の前の、

苦しんでいる患者を見れば、

コロナであろうがなかろうが、

ほってはおけない、人間関係がある。

 

「町医者」だからこそ、

長い付き合いの中で、信頼関係があり、

身体だけではなく、心までも、

支えてもらってきたのである。

 

後継者が、いないため、

知り合いの、

「〇〇医院」の看板が、

外されているのを見ると、

寂しく、悲しい、

 

高齢になって、倒れるまで、

地域の人達を、診続けてこられた事に、

感謝しかないのである。