死ぬまでに、
一度だけ、
夜空に輝く「満天の星」を、
観に行きたいと、願っている。
なるべくなら、
空気の澄んだ田舎町が、
良いかなと、思っている。
もう、何十年も前ではあるが、
妹が住む、石垣島に行った時に、
連れていってもらった場所が、
忘れられないでいる。
「漆黒の闇の中」に、
月と、星が、
夜空に輝き、
電気ひとつない、場所であった。
「月の雫」と、
呼ばれる場所で、
「この世ではない」ような気がしたのを、
うっすらと、
脳裏に残っている。
遠くから、
誰かが弾く、蛇味線の音が、
聞こえてくる。
日本の最南端の大地に座り
「切なさと悲しみの時間」
私が辿って来た歴史が、
静かに降りてくる。
あの日から、
走り出した人生、
たどり着いた場所が「月の雫」
出来ることなら、
私の人生の最期は、
この美しい場所で、終わりにしたい。