一人ぼっちでも幸せ。

柔らかなダウンライト、落ち着いたスタンダードなピアノ曲が流れる夕食どきの喫茶店は、
静かである。
窓からは、クリスマスのイルミネーションが、
キラキラと美しい。
隣の席では、80代前後のおじいさん二人が、
古いが、値打ちのありそうなカメラをテーブルに置いて、仲良く写真談義。
こんな時間に、喫茶店にいる老人は、皆独り者に見えてしまうのは、私の偏見?
待ち人のいない家よりは、カチャカチャと食器の音がする空間が、心地よい。
ほんの一瞬ではあるが、温かな幸せな時間である。
一人で元気が絶対条件の独居暮らしも、まもなく、ぶらりと散歩がてらにコーヒータイムもできなくなる時が、きっと来る。
賑やかなクリスマスも華やかなお正月も、とっくに卒業して、今は、気楽な傍観者になった。
家族も、友人も、この喫茶店にいる人たちも、
ひっくるめての、私にとっての人間関係。
差別も区別もない、全てがフラットになって行く人生を味わっている。
この地球の片隅で、
「ここまで、生きてきて、良かった」
と思えれば、幸せなのかも知れない。