美しい命の誕生

幸せな結婚の知らせの後には、
「赤ちゃんが産まれました!」
の、嬉しい報告が、知り合いの女性からあった。
「おめでとう!」
当たり前のお祝いの言葉の後に、
「お医者様から、障がいがある」
と言われたらしい。
少し息を飲んで、戸惑いはあったが、病院に駆けつけた。
お母さんの側に眠っていた赤ちゃんと、初めて出会った。
頭の形がカッコよく、健康そうなピンク色の可愛い坊やである。
思わず、私の口から出た言葉は、
「まあ、なんてお耳の大きい事!将来、きっとお金持ちになるかも!」
心配な事も、すっかり忘れて、
赤ちゃんの褒め言葉としては、情けないボキャブラリーであった。
にも関わらず、若いママは涙して、
「ありがとうございます。そうでしょう!
私もとても良いお耳と思ってるんです!」
と、嬉しそうに答えた。
障がいと聞いているので、身内も知り合いも、
気を使って何も言えない状況になるらしい。
天使みたいなこの子を、決して不幸せにはできない気持ちが溢れ、
「抱っこさせてくれる?」
と、ママの手から、私の胸にしっかりと受け止めた。