もう少し冬でいて。

春手前の戻り雪が、約束通りの粉雪を、降らせています。
そんなに簡単には、春にはさせじとの吹きっぷり。
わたしは、居座る冬が好きである。
自然の脅威と戦う様に、科学は進歩し、ファッションセンスを脅かすことなく、防寒服はそろっている。
赤十字の人たちの防寒服より劣るけど、ユニクロとても負けてはいない。
一昔前のカッパに長靴は、もういない。
ダウンは当たり前、ブーツも当たり前。
だから、雪降る道も、颯爽とお出かけできる。
しかし、我が身を振り返れば、コロンコロン状態の上に、こっそり見えない腰には、ホカロンが貼ってある。
こんな時転倒したら、かっこ悪くて救急車も呼びにくい。
しかし、この寒さが身にしみるのは、歳のせいか、懐寂しかと思う程、身体にこたえる。
古の20代の頃は、ダウンもなく、当たり前のコートにミニスカートにストッキング。
50年前のことは覚えているが、体感温度まで、覚えていない、寒さも暑さも何ともない。
着るもの、なかったから仕方ない!
少し襟元に毛皮がついたコートを羽織り、
中はワンピース一枚で、お出かけ。
やせ我慢と若さで、寒い冬も乗り切ってきた。
それなのに、最近はワンちゃんまで、ダウンにブーツ。
「いーぬは喜び、庭駆け回り♫」
「ネーコは、コタツで丸くなる♪」
の姿は消えたのである。
夜になれば、暗闇を照らす電気があり、
温かなお湯を沸かせるガスがある。
暮らしの質が高まり、時間の余裕ができる様になった時代。
あとは、人間の質を高めていくしかない。