タイトルはなし

日常の中で、呼吸するように、ブログ日誌を書き続けてきた。
川の中を流れる自分の姿を、小さなスマホに、
留めてきた365日。

タイトルも思いつかないうちに、本文が走り出すように、打ち込まれて行く。
ハレ、ケ、ケガレが繰り返される日々を、
鮮明に書き残すために。

いつの日か、私にもやって来る真っ白の世界。
音もなく、言葉も無い、誰もいない世界。
大切にしてきた、伝えたかった言葉を、スマホの中に残したまま、ロックする。

誰も知らない私がそこにいる。
「母さんは、どんな人?」
「俺たちを愛していたのか?」
そして、
「幸せだったのか?」

もし、知りたくなったら、スマホのロックを解除して、ブログを開けて。
忘却の中で漂う私に、読んで、聞かせてほしい。