タンス貯金の行方

マイナンバーカード」

私の年代は、

殆どカードを持ってはいない。

 

出来た頃から、

プライバシーが管理されたり、

経済的なことまで、把握されるとの噂が、

流れていた。

 

コロナ渦により、経済の悪化で、

金融業界も、人員削除、支店減少、

それに伴い、急激なデジタル化、

オンラインシステムが、導入されて、

キャッシュレスの時代となった。

 

高齢者が集まると、

「カードなんか作ったら、あかんよ!」

と、一人が言うと、

もひとつ、意味も分からないまま連鎖する。

 

「貴方たちは、心配しなくも大丈夫!

ちっちゃいお金の出し入れなんか、

税務署はマークしないからね」

と、言うと、

我に返って、「ほんまやわ!」

と、大笑いである。

 

紙物のやり取りも、なくなり、

印鑑さえ無用の長物に、いずれはなる。

カード一枚作るのも、

電気製品も、家具も、衣類も、食べ物も、

老若男女、パソコンやスマホで購入となる。

 

銀行や郵便局にも行かず、

果ては、お医者様の診察もオンライン。

「VR」を使えば、

自宅で、デパートやコンビニやスーパーに

お出かけできる。

 

そんな時代が、間も無くやってくる。

 

それでも、集まった爺さん婆さんは、

「現金、腹巻に入れて、買いに行くわ!」

と、豪語する。

 

どんなに、システムが変わっても、

タンス貯金を、山ほど持ってる老人は、

今のところ、健在である。