「華やかな人脈」から、消えてゆく。

「こんにちわー!」

いきなり声をかけられ、ビックリ!

「お久しぶりです!」

と、言われても、

「誰やろ?」と、暫く考え無いと、

マスク姿では、分からない。

 

しかし、相手は、

マスクにサングラスの私を、

目ざとく見つける。

背格好なのか、雰囲気なのか、

すぐ、わかる様である。

 

買い物に出ると、

「キャー!〇〇チャン」

キャーはいらん!

いい歳した婆さんが、

チャン付けで、呼ばれたりする。

 

会えば、

立ち話が長いのと、めんどくさいので、

犯罪者みたいに、マスクにサングラス、

コソコソと、サッサと買い物して、

帰ることにしている。

 

地位、名誉、お金、

三拍子揃った夫の奥様族は、

「華やかな人脈」があり、

かなりの情報網で、

伝わる速度は、ネット並み。

 

良し悪しに関わらず、

プライバシーは、口が裂けても、

うっかり言わん事である。

 

今は、一人で、

つつがなく、静かな暮らし、

自然と向き合う、無理のない時間、

キラキラ、「華やかな人脈」に、

戻る気はない。

 

寂しさや、哀しみを、

癒される場所が、

人の集まりの中には、無いことを知れば、

いつのまにか、

「華やかな人脈」からは、消えてゆく。