寂聴に捧ぐ「本当の私を知っている」

「いつから、私を見ていたの?」

 

雨上がりの、澄み切った夜空に、

美しい、上弦の月が出た。

 

満月ではなく、

欠けた月に、ホッとする。

 

この世から、

貴方にたどり着くには、

時速200キロの新幹線で、

80日かかると言う。

 

近くじゃないけど、

遠くでもない気がする。

 

「貴方のそばに、行きたい」

と、小さな頃から、想い続けてきた。

凍えるような冷たさを、

貴方の光で、抱きしめてほしい。

 

無限の、宇宙空間の中で、

黄色い月と、青い星が、交錯する。

 

永久に、

「貴方が、在る」だけで、

どれほどの、

傷ついた心を癒してきたかを。

 

そして、誰よりも、

貴方が、一番、

「本当の私を、知っている」