寿命の手札が、減っていく

猛烈な勢いで、

台風が、夏を引っ張って、

太平洋を、走ってる。

 

暦など、お構いなしに、

お雛様を飛び越えて、

五月の節句も、

ゴールデンウィークも、

三段跳びで、過ぎてゆく。

 

季節の、

移り変わりの速さに、

私も含めた高齢者の、

寿命の手札が、減ってゆく。

 

コロナが始まって、

3年目の春が来る。

3年前の小学一年生は、

マスク姿のお友達しか、見た事ない。

マスクが取れたら

「あんた誰?」

 

高齢者は、マスクのおかげで、

シワは隠れて、若がえり、

感染症から守られて、

ますます、寿命が伸びていく。

 

毎年、

恒例のファミリー旅行、

「年寄りは遠慮して」と言われて、

ホッとする。

 

どこにも行かず、

誰とも会わず、

財布の口もしっかり閉めて、

インフレにたちむかう、

準備は、万全である。

 

どんな悲劇も、

いつかは、終焉となり、

歴史の一ページに、刻まれる。

 

その時代に遭遇した事を、嘆かずに、

生き抜いた人が、

乗り越えた人が、

真実を、

次世代に伝えていかねばならない。