気高く、美しいもの

時が経つにつれて、

気高く、美しいものに、

出逢いたいと、願っている。

 

人々が、行き交う、

街路の喧騒を、離れて、

息を呑む程の美学に、

惹かれている。

 

何処に行けば、

あまりに悲惨な世の中から、

飛び立てるのかを、

願っている。

 

燃え上がる炎の中で、

泣き叫ぶ声、

飢餓状態の中で、

絶望を味わう子供達の姿、

 

凝視ができずに、

心に、被せた白いヴェール、

置き忘れていた、

魂を、呼び起こし、

ゆっくりと、深呼吸。

 

健忘症気味の頭から、

楽しいことは、忘れていくが、

壮絶な悲劇は、

決して、忘却される事はない。

 

情報を伝え続けるPC、

フェイクとファクトの狭間で、

バランスをとりながら、

小さな自分の存在を、確保する。

 

穏やかな時間も、

何気に聴こえてくる優しさも、

四つ葉のクローバも、

遠くに探しに行かなくても、

振り返れば、

気高く、美しいものは、すぐ側にある。