満足をどれくらいしたい?

欲望と満足は違うと思う。
物、金、名誉には、はっきりとした形があり、
それを手に入れるのには、野心と計画を立て、能動的に動かねばならない目的である。
満足は、心地よさが一方的に来て、幸せ感が煮こぼれるほど溢れる状態。
買い物行くにも人が多くて嫌、レストランに行けば、食べて消えちゃう物に、結構な金額がかかって勿体無い、だからと言って、せっかくの休日に自堕落してるとあっという間に夜が来る。
「そんな時は車を走らせてドライブがベスト!
ガソリン代が一番安いですよ。」という知り合いがいて、あてもないのに、助手席にちょこんと座って出発。(但し、運転の上手い人が条件です)
汚い電柱のないところを目的地に設定さえすれば、まずまちがいない。
お茶を飲みながら柿の種をぽりぽり、とりとめない話が進んで、多少意見が違えど、2人は顔を合わすことがないので、腹も立たない異空間。
車窓から見える景色は、どこを切り取っても絵画の様に美しい。
吹く風は心地よく、どこまでも続く青い空、様々なものが、移り変わる季節を気づかせてくれる。
昨日までの重苦しい出来事や、少し痛みを伴った切り傷が癒されて行く。
芦屋を出てから1時間あまり、一本道をひたすら北へ。
丹波篠山市と書かれた標識に、どこからも誰からも私の事を知らない境界線を越えた安堵感と満足感が湧き起こる。
生きて行く中での、ささやかな休息
ほんと、こんなに遠くまで走って来たのに、
ガソリンのメーターは減ってはいない。