捨てることを恐れない。

結婚してから、私が買った物の値札を置いていたら、イカリスーパーの袋が、ふた袋分ありました。
友人達に言ったら、うそっー!とびっくり。
証拠隠滅しなければ、皆さんもあると思う。
それだけの物を買って来たのに、私の家は整然と片付き、シンプルである。
大切だけど着ない。
古いから着ない。
好きだけど着ない。
洋服に関して、これらに該当するものは、
全て、人にあげるか、売るか、捨てた。
一時期アパレル関係にいたので、かなりの金額であったと思う。
それらの洋服は、自分のスタイルを主張し、立場を保持し、仕事に活かし、そして心の支えになっていたと思う。
私を思い出す時、多分、人は顔ではなく、どんなファッションをしていたかでイメージするはずである。
それ程、女性にとっては装いは大切であり、
個性だけではなく、知性や教養も服装に現れると思ってきた。
時代が移り変わり、環境が変わり、心模様が変容していく中で、その当時の身につけていたものを見ると、懐かしく思い出す。
クローゼットから、その洋服が消える時は、私は、すでに新しい世界の中にいる。
舞台装置が変わるドラマのように、大道具も小道具も変化して行くのは楽しい。
人間を捨てることはできないけれど、物は壊れても、汚れても代わりのものがある。
いずれ来る、エンディングのために、私の中の執着を、手放して行く訓練をしているのかも知れません。
歳を重ねるほどに、家の中で、ゴソゴソと捨てるものを探す時間が増えてきました。
私がこの世を去る時には、綺麗さっぱり跡形もなく、消えていきたいと思っています。