全身麻酔で歯を抜くの?

どうしても、納得いかない。
歯を一本抜くのに、入院して全身麻酔
数年前、歯根嚢胞という病気になった。
元来、歯医者には無縁であった。
「痛いな?」と、感じたらよく磨き、
こまめにうがいをして、痛み止め飲んだら終わりで、ごまかして来た。
とうとう、そのつけが回ったかと言わんばかりの、ひどい状態になった。
顔は、痛んでいる片側が、変形するほど、
腫れ上がり、スタッフも顔を背ける。
本人は、痛みはあれど、薬で抑えながら1ヶ月、放置した状態であった。
もちろん、ほったらかしていた訳ではない。
親戚筋の歯医者から、大学病院の歯医者、名医と呼ばれる歯医者に診察してもらうことになったが、私が、その治療方法に、同意しなかったのである。
「入院して、全身麻酔での手術です。歯を抜いた後の感染を防ぐ為に、大事をとります。」
どこに行っても、同じ診断がつき、果てはガン検査までされて、痛い上に、肝心の歯は抜かず、周辺の歯茎を抉り取られるほど、ひどい目にあった。
心身ともにズタズタになり、もはやここまでと諦めて、近くの病院に、入院はしたが、まだ納得できない不信が残っていた。
数日後に手術を控えてはいたが、藁をもすがる思いで、遠く離れた山口県の脳外科のドクターに連絡した。
元耳鼻科もされていた先生だったので、口腔内は詳しく、
「下の歯じゃろ?抜いだら終わりじゃろう!」
と、一言であった。
その言葉を待っていた私は、即刻、手術をキャンセルして、新幹線に飛び乗り、ドクターに紹介された周南市の 病院の口腔外科に飛び込んだ。
「嚢胞の大きさが、WHOの基準からいえば、
下回っているので、歯を抜けば大丈夫です。
抜いた後に新しい肉が盛り上がり再生します」
と、言われた私は、涙が出るほど嬉しかったし、やっと、信じれるドクターと会えたのです。
ここまで、7件目で、納得のいく説明を聞けたのである。
全身麻酔もなく、普通に抜歯して、痛み止めもらって、山口県のホテルで、その夜はぐっすり
朝まで、安心して眠った。
もちろん、その後、何も起こらず、現在に至っている。
たった一本の歯に何で?と、周りからは言われたが、どんな病気であっても、本人は、救われたいと願うし、直してくださる技術を持ち得たドクターを信じて託したい。
日本の中に、うんと思える先生は、必ずいるはずと、諦めず探したことに後悔は無い。
それ以来、私の歯のメンテナンスは、山口県まで行くことになったが、楽しい旅行気分である