魔の季節

長年、続けてきた手帳を読み返すと、ここ数年、毎年6月から7月にかけて、体調を崩し、
開業医や病院に通い詰めてる様子が記載されている。
数年前は、とうとう大病が来たかと、
検査や薬を積極的に、試していたが、体調は最悪で、遺書でも書かねばと思うに反して、
検査データーはそれほどでもない。
しかし、本人には自覚症状もあり、1、2ヶ月は、それなりに苦しみ抜く。
ガタガタしながら、汗ばむ頃になると、鉛のような思い身体も、少し軽くなり、秋を迎える。
今年のお正月は、ひょっとしたら、最後かもとさえ思い、誰にも言わずに、覚悟を深めて、本気の死の準備をし出してから、早、何年が立つかしら?
「私も、もう、あまり長くないかも」
と、呟くと、「はいはい、10年同じこと言ってますよ」と、息子に失笑される。
それでも、今年もまた、容赦なく、魔の季節は襲って来ている。
朝夕の身体の虚脱感と不快感。
目覚めても、思うように動けない関節や筋肉。
生暖かい脳の一部が、スッキリとしない。
取り敢えず、胃腸の機能は最悪である。
もはや、医者にはいく気は無いが、
自己診断は、うつ病寸前と断定している。
ちなみに、医者は「老化です」と診断する。
梅雨時の紫陽花は、美しく咲いているが、
私の自律神経は完全に狂ってしまう。
今夜眠ったら、明日の朝には死んでいると思い込む妄想と戦いながら、騙し騙しの対処療法の薬を飲んで、日々を暮らしている。
明るく、元気で、生き生きとのポスターみたいな老後は私にはできないなと感じている。
誰も見てないのに、サーカスの綱渡りみたいな人生を、好き好んで演じているのかもしれない。
このややこしい性格が、うつ病を生む以外に、
アート作品でも生まないかなと、願ってはいる