優しさだけが、本当の介護じゃない

介護のヘルパーさんには、いろいろな個性の人がいる。
利用者さんの前に跪き、手を取り、スリスリする人。(ちょっと気持ち悪い・・・)
顔を見るなり、外国人のように、ハグして、自分が大喜びする人。(オーバーやん・・・)
半ば、引き気味で、ぺこんと挨拶する人。(大丈夫かいな)
ドアを開けるなり、甲高い、元気な声で、
こんにちはー!(相手は寝たきりなんですがー?)
どれも、これも、勘違いしてませんか?
親戚でもなく、お友達でもなく、おてつだいさんでもありません。
介護保険という制度の中で、介護の資格を取得され、福祉の理念に基づき、暮らしのなかで、自立支援を担った、仕事人である。
中には、国家資格まで、持っている人もいる。
優しいおばさん、親切なお姉さんだけでは、通用しないのです。
まずは、ケース(カルテ)に、記述されている、客観的理解、主訴の訴え、家族構成、過去からの経緯など、下準備を行ってからの対応をしなければならない。
知らんおばちゃんが、いきなり、ひっついてきたり、同情するような目で、手を握ってきたら、それってセクハラ、パワハラというもんちがいますか?
相手は、立派に人生を走り抜き、年老いたり、病気になったりで、弱者や障害者になられた人だとすれば、こちらの思い込みの軽い扱いは
失礼無礼になってしまいます。
人権は、生きてる限り、すべての人間に与えられており、たとえ、目が見えなくて、耳が聞こえなくても、手足が動かなくても、そして、全身が動けなくなっても、意志と、存在は、あるのです。
介護の技術は、察しの世界であり、読み取る技術を学び、その人にとっては、最後に出会う人になるとすれば、心して、人間関係を積み上げなくてはならない。
そして、
「人生、捨てたもんやない。こんな人と、
最後に会えたんやから」
と、言われたら、嬉しい。