今年の挑戦

闇夜の鬱積を吹き飛ばすように、窓から輝かしい光が差し込む朝が蘇る。
充電されたエネルギーが、動き出す。
若者達の希望の足音が聞こえてくる。
まだ見ぬ未来に、私は存在しないが、
預けられたバトンは、確実に若者達の手の中にある。
もはや待ち時間のない出番は終了し、
ゼッケンの外されたユニフォームを脱ぎ捨てて、汗を流し、こざっぱりした姿でこの場所から消えてゆく。
大きく、広い幹線道路を外れて、小さな、細い小道を歩き出した。
木々の木漏れ日の中を、涼やかな風の中を、
ひそやかな花々を愛でながら、進んで行く。
寿命の宣告のないことに感謝しながら、ゆっくりと時間は過ぎて行く。
我欲と執着と依存からの解放に向かって、
いつの日か来ることを約束されていた道。
重く、苦しい荷物を降ろすために、終着駅に着くまでには、間に合うかもしれない。
賑やかな子供達の声も、華やかな友人達との語らいも、思い出の中の応援歌になってゆく。
与えられた今年のコースに、自分との挑戦が、
静かに幕を開けた。