あー、しんど。

朝、目覚めたときから、空虚感がある。
「もう、生きてるのもしんどいな」
と、心が呟く。
昨日までの感謝の気持ちが、どこに消え失せたのか?
二日前に見た、中国の山水画のような春霞。
雄大な山々が、帯状の雲に覆われた「春霞」にも似た、ぼんやりとした感情に陥っている。
深刻さもなければ、悲壮感もない。
「疲れました」
と言う相手もいないので、呟いているだけである。
この程度の落ち込みは、生死にもかかわらず、
人に言えば一笑されるだけの話。
世界レベルの異常気象、人間に与える影響は、物質的なものだけではない。
敏感な神経や感性にも、大きく影響している。
地球っこの自然児の私は、かなり疲れを誘引されている。
こんな気分を払拭するために、思い切って外出するのが効果的である。
いつもの喫茶店に、いつもながらのメンバーが、座っている。
震災もない、困ったこともない、平和な空間に身を委ねてみれば、
「やっぱり、違う。」
気分は晴れないのである。
一人で生きていると、独りよがりのわがまま人間になって行く。
世の中に対する不満と批判が募って行く。
一人に問いかけ、一人が答える。
「人は、誰かのために生きている」
と言う言葉が浮かんで来る。
しばらく、自分のことが精一杯の日々が続いて
仕事もできず、人の為にも動けなかった事を、思い出した。
「あー、しんど」の原因を、やっと、突き止めたのである。