炎熱の、
街路の影を、
探しながら、歩いている。
「ふざけた秋」に、
抗うように、
あえて、日傘もささずに、
生暖かな風に、髪を靡かせて。
時間は継続され、
継続は変化すると、
信じて来た通りに、
暗黒の世界から、
少しずつ、人間は離脱して行く。
良き事も、悪しき事も、
地球が人間を、変えるのではなく、
人間が、地球を変えて行く。
喪失感で、
疲弊した人達の声が、聴こえる。
微弱なこの手で、
触ることさえできないけれど、
この日常も、
あの非日常も、
老いた身体で、実感して、
今もなお、経験として、積み上げて行く。
知り得た、
リアルな体験が、
数年後、数十年後に、
子供達の、魂の中で、
活かせる時が、気づける時が、
必ず、来ることを知っている。
野卑な人の指図の下で、
戦争が起こり、
動乱が、繰り返されても、
何処かに、
純粋で、真っ直ぐな信条が、
平和を獲得する。
移りゆく、
日本の四季が、
予定通りに、思惑通りに、
来なくても、
まだ、地球の上に、乗っかって、
生きてる感謝を、実感している。