ゲロが出る公的機関

朝から、ゲロが出そうな報道である。
娘を父親が虐待死させた事件である。
もちろん、殺した父親が最も悪い事は確かであるが、経緯を聞けば、本人も学校のアンケートにSOSを書いていたという。
学校は児童相談所にその問題を振り、公的機関は一応動いたという話までは、筋書き通り。
最悪の結果になったのは、公的機関の無責任な怠慢である。
「SOSのアンケートを、父親に渡しました。
申し訳ありませんでした」
と、並んで頭を下げている児童相談所のやからの姿を見た時、声も出ないくらい絶句した。
胸が痛み、どれほどの裏切りと絶望の中で、
彼女が死んでいったかと思うと、食事も喉を通らないほどになったのである。
私自身も、福祉の相談業務をしてきたが、どんなに悲惨な状況にあっても、本当に助けるためのあと一歩を踏み込まない役人に、憤ってきた。
制度を逸脱する事なく、話だけは聞き、追って沙汰するという綺麗事の世界である。
今、すぐにしてほしいと懇願しても、誰が考えても、尋常ではないと思っても、ひょっとしたら命を落とすかも知れないと判断しても、
彼らは自分だけを守る鎧を着て、深く侵入しない。
どんな悲惨な人達の訴えを聞いても、
「5時になったから、仕事はおしまい!
いっぱい飲んで帰ろうか?」では無いはず。
この父親とともに、裁判にかけられるべきである。
助けてほしいと逃げ込んだ場所に、最も卑劣な悪魔がいた事を、私たち大人はどう謝罪しても仕切れない。
日本の経済のことしか取り上げない政治家達、
少子化を訴えているなら、まずはお金より子供の命であり、この罪は、私たちすべての日本人が考えねばならない罪である。
テレビの前で、みんなで頭を下げれば怖く無い!見え見えの責任逃れは、もうやめてほしい。
何度もなんども繰り返されてきた場面である。
この人達に聞いて見たい。
「この先、この問題を抱えて、どんな生き方をされるのか?」
私の血圧も、しばらくは下がる事はないだろう。