人間の中古品

「これ、下さい」

まるで、食料品を買うように、

BMWi120ガブリオレ、

ショールームに飾っていた限定品を、

購入した。

出会ってしまったので、即決である。

 

仕事で免許証が、必要になり、

60歳を過ぎて、自動車学校に申し込みに。

「子供さんの申し込みですか?」

「私です。」

「・・・、では、パックにされたら、

何度でも、検定受けれますよ。」

「・・・、いえ、普通のでお願いします」

 

失礼な話で、

まだ、反射神経はおとろえてはいませんよ。

世の中、こんな偏見があるんです。

 

意地もあって、

実技検定も、試験も一発合格。

あれから、10年を越えたが、

無事故で、ゴールドカード!

 

しかし、

高齢者の、自動車事故のニュースを見ると、

ブレーキとアクセルを間違えて、人を跳ねる!

前に行くのに、バックに入れて衝突!

信号無視して、交差点で、大惨事!

 

その現状を見ると、

「高齢者の運転」は、やめといて!

に、なりました。

 

どれほど、人生経験豊かでも、

車の運転と、スマホやパソコンの操作は、

未熟者。

 

頭も肉体も、かなりの中古品になり、

「昔取った杵柄」も、

道路は変わり、地図は見れず、

スピード感は感じずで、

通用は致しません。

 

人生、なんとか、ギリギリガールで、

生きてこれたのに、

最後に、「人を引き殺す」ような、

恐ろしい罪は、犯したくはないのです。

 

傲慢な婆さんは、反省し、

一瞬で、愛車をガリバーに売りました。