ハンドルを離さない高齢者

「私は迷ってる」

長い人生の中で、

初めて、車のない暮らしをしている。

 

友人達は、

70歳を過ぎても、

「これが、最後の車にするの!」

と、新車を購入。

 

高齢者は、

「免許証返上」と、言われてる時代に、

なんか、ムカつくのである。

 

普段は、

物忘れがひどくなったとか、

眼が悪くなって、白内障の手術したとか、

つまづいて、骨折したとか、

言ってる婆さん達が、

ハンドルを離さないのである。

 

私たちの時代は、

16歳から、免許が取得でき、

「自家用車」時代に突入。

ネコも杓子も、高校卒業したら、

まずは、教習所へ。

 

60年近くも、運転してたら、

そこら辺の、トラックの運ちゃんより、

うまいのよ!と、自負はある。

 

しかし、

なにが飛んできても避けれない、

鈍った反射神経。

高齢者の悲惨な事故を見る度に、

「アクセルとブレーキ踏み間違えた!」

と、言ってるあたりで、

頭が、おかしいのです。

 

ポツンと一軒家に住んでるわけではなく、

都会の便利な街で、

タクシーもバスにも、不自由はない。

 

それでも、

「80歳までは、運転するわ」

と、車依存の言動に、呆れ果て、

「後部座席から、若い人を見守る側に」

と、迷いが断ち切れたのである。