芦屋の街を愛して

小さい頃から、

芦屋の街を眺めて、育ったが、

本当に、不思議な街である。

 

大きな西宮市と神戸市に挟まれた、

街の真ん中を、芦屋川が流れる小さな街。

 

そんな街なのに、

JR芦屋近辺には、大丸百貨店があり

都心に出かけなくても、ほとんどの物が揃う。

 

有名なカフェもあり、

スターバックスドトールミスド

など、勢揃いである。

 

スーパーは、

勿論、いかりスーパー成城石井

など、大丸の地下の食料品売り場に、

対抗して、頑張っている。

 

70数年前から、

知り尽くした街なので、

変わりゆくさまも、気にならず、

無意識に過ごしてきた。

 

たまに、

他市から来る友人と、

ランチにでも行くと、

「凄いとこやね!、着てるもんが違うわ!」

と、びっくりする。

 

スーパーに、

ブランドのドレスにハンドバックは、

確かに、言われてみれば珍しい。

 

豊かな人達は、

取り立てて派手でもなく、

シックな装いで、さりげない。

 

昔は、住まいも豪邸ではあるが、

近隣の高い塀の中には、

どんな人が住んでるかはわからず、

黒塗りの車が、迎えに来て、

お玄関に、お手伝いさんがずらっと並ぶ。

 

お金持ちであっても、

派手な動きもなく、ひっそりと暮らし、

静かに、堅実な生活感があった。

 

大人になった頃には、

住人達はいつの間にか入れ替わり、

高級な外車が、玄関にならび、

出入りが目立つ暮らしに変わった。

 

今の芦屋には、

昔からの地の人は、殆どいない。

何処かの成功者が、ステータスのために、

芦屋に住まいを構える。

 

しかし、

どんな人が、居住されても、

何故か、この街は乱れないのである。

凛として、一本筋の通ったものは、

譲ることなく、引き継がれている。

 

一見、

華やかで、豪奢な街には見えるが、

古くから、

芦屋を愛した人達の想いが、

美しい芦屋川と共に、流れている。