脳が忘却する前に

一般主婦層の女性達からすれば、

とかく、「男と女の関係」に、

重要度が高いようだ。

 

70歳を越える女性達が集まっても、

孫自慢が終われば、いにしえの恋の話。

旦那の浮気、自分の浮気、

夫亡き後、無罪放免である。

 

「男と女の関係やったんでしょ?」

と、そこに集中するので、

「そんな事は、大した問題ではなく、

何で結びついてるかと思いますが?」

「えーっ!他にあるのん?」

 

男女の関係があれば、愛ならば、

夫婦は、子供まで作っているから、

夫を愛してる事になる。

 

その理屈だけは、みな口を揃えて、

否定する。

「主人をはっきり言って、愛してないわ!」

「そうそう、愛ではない事は、確かよ!」

 

酢いも甘いも、噛み分けたお歳の方々は、

それだけは確信を持って、うなづく。

「愛する」と言う事は、

勝手に思い込んでいるだけで、

「本当の愛」、「真実の愛」

は、私も含めて分からない。

 

我が子に対してだけは、確かかと言われたら、

親子関係は、自分と親との関係性で、

厳しい親だった人は、

「物分かりの良い親」に自分がなりたい。

仲良し親子だった人は、

必然的に当たり前。

血の絆と、男女の愛とは意味が違う。

 

今更、

「愛とは」を追求するつもりはないが、

この世に、何を知る為に生まれてきたのかは、

皆、知っているのである。

 

もはや、間に合わずで、

せめて、いにしえの恋人に、

想いを馳せて、懐かしんでいるのである。

 

この問題に関しては、

脳が、忘却する前に、

知りたいことの一つであり、

何処か、魂の片隅に居座り続けている。