「誰のおかげで、大きくなった?」といわれたら、
親子だからといって、
テレビの「ホームドラマ」のように、
ハッピーに、行くわけがない。
万が一にも、
自分の親子関係が、
思うような関係性でなければ
「何でやろ」ではない。
振り返れば、
幼い子供を、「自分の価値観」で、
勝手な育て方をしてきたはずである。
親としては、
「精一杯」愛してきたと、勘違いである。
子供が大きくなるにつけ、
距離感が広がり、
言語が、伝わりにくくなってくると、
「何でやろ」と、
ますますわからなくなってくる。
自分自身の父親は、
大正生まれの、軍人だったので、
女子供など、犬猫扱いであった。
「誰のおかげで、おおきくなった!」
と、何度も言われれば、
「自分一人で!」と、
心で叫んで、抗ってきた。
憤る社会、
不正の蔓延る世の中、
信頼、信用のできない大人達、
親から欲しかったのは、
美味しいものでもなく、
高価な通信機器でもなかったのである。
困った時に、
黙って、温かい手で、
心を抱きしめてくれる人が、
欲しかったのである。
あれ以来、
「お父ちゃん」も「お父さん」も、
「あの人」には言えずじまいで、
95歳で、天国に召されてしまった。
お互い、
「ありがとう」も言えずに、
「親子関係」を終えた人達は、
たくさんいるのである。