お部屋の白い壁に、
去年のクリスマスイブに飾った、
「ガラスのトナカイ」が、
走ってる。
「片付ける?」と、
何だか、寂しくなりそうで、
飾ったままで、春が来る。
貴方があんまり、
綺麗だから、
「ズーッと見ていたくて」
ごめんなさい。
ツリーもなければ、サンタも来ない、
「ホワイトクリスマス」に、
ガラスのトナカイ君が、揺れている。
今年の聖なる夜に、
私は、
まだ、この部屋にいるのだろうか?
当たり前の「行事ごと」を、
心に刻んで、
覚えておきたい。
まもなく、やってくる
「雛祭り」や「お節句」の、
お雛様も兜も、
すっかり処分して、無いけれど、
「幼かった子供達」の、
楽しげな声が、聞こえてくる。
「長ーい一年」は、
あっという間に、過ぎてゆく、
何十回と、
繰り返えされてきたけれど、
おんなじ日は、
一日たりとも、無いのである。
「エピソード記憶」と、
共に、
忘れることは、決して無いのである。