私らしく、NOの言える時代

「よーい、ドン!」

一列に並んだ人々が、一斉に走り出した。

 

「GoToトラベル」に向かう人でなく、

「半額セール」の、デパートの列でなく、

有名人のライブでもない。

 

京都の「御金神社」の、参拝者の列である。

宝くじが当たる、

株が上がる、

お金が貯まる。

お金にまつわる神様である。

 

日本人特有の、「神頼み」行事、

お金をくれる神様がいるとは、

誰も、思ってはいない。

 

コロナ感染が小休止、

国も、行政も、経済復興の為に、

恐る恐る、国民を動かして、

withコロナ、afterコロナに、舵を切った。

 

ところが、

晴れて解除となり、楽しみにしていた、

飲食、ホテル、デパートなどは、

思ったよりは、足並みが遅い。

 

2年間の自粛生活を経験して、

見えてきた事がある。

 

行きたくもない忘年会、新年会、

行ってはいけません、

家族サービスのための、海外旅行、

相手の国が、ロックダウン、

「今年の秋冬コーデ」の商業ベース。

山ほど買っては、リサイクルへ、

 

「なんだか、変?」

考える時間は、いっぱいあった中で、

どんな暮らしを、どんな人生を、

送りたかったのだろう。

 

季節ごとに着れる服に、困らず、

なんでも話せる友人と、たまに会食、

家族サービスは、ちょっと先の公園で、

海外旅行の費用は、子供の留学費用に、

改めて、考えてみれば、気がついた。

 

お金を放出する事に、無頓着だった人が、

一度もしたことの無い、

貯金を、株投資を、宝くじを買ってみたい。

働いたお金を、どう使うかは、自分次第。

 

ぼんやりしていた、

社会の姿が、見えて来た。

世の中の、プロパガンダに翻弄されず、

「私らしく」生き、

「NO」も言え、

そんな時代の真っ只中にいる。