「ご高齢様、おなりー」

自ら、進んできた訳ではなく、

偶然と偶然が重なり、

今に至っている。

 

産まれ落ちた家庭も、

他人が思うほどに、

「ラッキーではなかった」

と、思う人だっている。

 

迷い道で、

途方に暮れることも、

抗えずに、生きて来た場面もあった。

 

長い人生の中で

見落として来たものがあるけれど、

構わず、進むと、

走り抜いた先には、何も無い、

 

人は、往々にして、

「やっぱりね」と、結果に納得、

こうなることも承知の上で、

見え隠れしていたことを、

「騙し騙し」で、知らぬ顔、

 

不意打ちにくる悲劇にも、

若さで乗り越え、未来に向かう人もいる。

「生きてさえいれば」と、

真摯に、現実に立ち向かう人もいる、

 

メソメソ、クヨクヨしながらも、

自分を励まし、

「来世は、きっと!」と、

諦めも甘受の内。

 

自分のドラマが、

悲劇でも、喜劇でも、ラブストーリーでも、

歳を重ねて、終演を迎える時が来る。

「ご高齢様のおなりー」と、

みんな一緒の場所がある。