角を曲がれば、別世界

冬を追いやった春が、

あちこちで、

春の祭典を、繰り広げている。

 

澄み切った、

山からの雪解け水が、

小さな川面に、流れてゆく。

 

裸足になった小さな足が、

楽しそうに足踏みしてる。

ポカポカ陽気に、

しばしの、休み時間の笑い声。

 

日差しすら消えた、地球の裏側、

鳴り続ける砲弾の下で、

子供達の、泣き叫ぶ声と、

自由を奪われた叫びが、聞こえる。

 

東北を、襲った津波も、

歴史の、恨みの暴徒も、

一瞬で、容赦なく、

命を飲み込んでゆく。

 

当たり前の帰り道、

角を曲がれば、別世界、

四次元の隙間から、

悲惨な運命が、滑り込む、

 

時間を戻し、

会えるページを、探しても、

白紙の中に、

悲しい貴方の姿だけが、

見えてくる。

 

憤りを抱きしめて、

止まった時間から、歩き出す。

春の温かな追い風が、

弱った心に、寄り添っている。