「幸せな人生」行きのチケット

偽りの晴れ間の、

向こうに、

雨を含んだ雲が、見え隠れ、

 

いきなりの土砂降りも、

想定内の、外出である。

「命の危険を感じたら、避難を」

と、言われても、

 

一瞬で、

道が川になるほどの、

豪雨には、

この年寄りが、逃げ切れる訳がない。

 

だから、

家にいるのが一番で、

コロナ感染のリスクは、少なく、

危機的な、豪雨にも、遭遇はしない。

 

しかし、

1日、24時間、365日の、

この3年間で、

3歳どころか、10歳位は、

歳が、いった様な、気がしている。

 

頭は、物忘れから、健忘症、

肉体は、筋肉が落ちて、杖歩行、

精神は、ただのストレスが、

心身症に、移行した。

 

友人達との、

唯一のツールは、スマホであったが、

メールをしても、返信は無し、

電話をかけると、

どうも話が噛み合わない。

 

つぎつぎと、

社会から、離脱してゆく、

周辺状況に、

生き方も、暮らし方も、

変容していかねばならない。

 

100年寿命を、

考えれば、

「ヤレヤレ」と言う気持ちと、

やっと、自分の自由な人生を、

謳歌しようと、思っていたはず、

 

たどり着いたはずの、

終着駅で、

路頭に迷いながらも、

まだ、苦難の旅は、終わらない。

 

「幸せな人生」行きの、

チケット売り場は、

見つかってはいないのである。