私の主治医は、
すこぶる、優しい。
「〇〇さーん、どうぞ」
と、診察室のドアを、
開けて、迎え入れてくれる。
モタモタしてると、
「ゆっくりでいいよ」
もはや、
この時点で、ドクターとして、
80点は、越えている。
大概、
アカデミックな有資格者、
医者、弁護士、学者は、
とっつきにくい人が、多い。
別に、
ベタベタと、仲良くしたいとは、
思わないが、
こちらは無知な素人、
くだらない質問をすると、
知らん顔する人も、いるらしい。
聞きたい事は山ほどあって、
専門家のところに来てるのに、
緊張して、質問できず、
「どうだった?」と、
帰って来た本人に、聞くと、
「よう、分からんのよ」と、
うやむや状態である。
何処かの、総理大臣ではないが、
「説明不足」で、答えは出さず、
しかし、
聞く方も、完全依存で、
「先生が決めて!」と、
命までも、お任せする。
「何で?どうして?どうしたらいいの?」
まで、聞けたら、100点満点。
私などは、
嫌われるタイプで、
検査結果が、悪いと、
「最終結果はどうなる?」まで、
答えを要求する。
私の主治医は、赤ペン持って、
全ての項目を、チェックして、
検査結果に、「OKマーク」
次々と、
診察に来る、患者さん達を見て、
「先生こそ、お身体に気をつけて」
と、反対に患者に言われて、
「ありがとう」と、笑ってる、
「最期の看取り」は、
このドクターにと、
密かに、決めているのです。