加齢を受け入れない高齢者

今日は、血液検査の結果を、 

主治医に聞きにいった。

 

「自分の誕生日に、人間ドックに、

いく事にしてるんよ」

と、いう友人達が多い。

 

高齢になると習慣病やら、

機能低下による疾病やら出てくるので、

自覚症状がなくても、検査してる人は多い。

 

私は、昔からずぼらで、具合が悪くなって、

大慌てで医者に駆け込む。

その時点では、自分の中で病名も決めている。

 

検査結果の2、3日前は、死ぬ事まで考える。

いつ大病になってもおかしくない歳だし、

身体にあかんと言われることばかりして、

いうこと聞かない罰やわ!と観念する。

 

しまいには、身辺整理までしだして、

特に、見られたらいけない書類やら、

「こんなもんまで残してんのん!」

と、言われるようなものは、始末する。

 

「明日から、検査入院ですよ」

と、言われても大丈夫と、覚悟して、

検査結果を聞きにいく。

 

診察室に入るなり、

「なんか出ましたでしょ?」

ドクターが

「いや、前のと変わらへんよ。

むしろ、中性脂肪、範囲内になってるよ」

と言うので、

「そんな事ないはずやわ、

こんなに体調おかしいのに!」

 

「良かったですわ」

と喜ぶ前に、怒ってる自分がおかしい。

データーだけでは、充分とは言えないが、

数値を見て、

「ほんまやわー」と、納得する。

 

それでも、

「そしたらなんで、胃がおかしいのん?」

と、まだ疑心暗鬼。

病気が見つかっても、あかんし、

病気が見つからんでも、あかん。

 

でも、医院を出る頃には、

すっかり元気になって、

きりきり痛んでた、胃の痛みを忘れてる。

 

「最近食べられへんのよ」

と言ってた人が、帰りに寄ったスーパーで、

ごっそり、食料品を買っている。

こんな婆さんには、つける薬がないのである。