心の病は、治るの?

まだ、心療内科専門の開業医がいなかった頃、
体調がおかしくて、内科のお医者様に診察に行ったら、
自律神経失調症ですね」
と言われて、安定剤を処方された。

ホルモンのバランスが崩れてるのかくらいで、それほど気にもせず、10数年が経った頃、
突然、職場で再発した。

経験済みの症状であったので、以前の様に内科に行こうとしたが、その頃には「心療内科」が出来ていたので診察してもらうと、
「パニック症候群ですね」
と、聞きなれない病名を言われた。

最初は30代でまだ若く、何とか自分で克服したのだが、今回は40代半ばであり、ストレスも重なって自然治癒はできず、薬に頼らざるを得なくなり持病となった。

それ以来、一喜一憂しながら、仕事に明け暮れ、今に至っている。
医療と介護の福祉の世界の中で、私の様に心療内科に通院している患者さんが、いかに多いかを知ることとなった。

昔は、自律神経、ストレスで済まされていた病名が、今では症状によって多くの疾病名がついている。

ホルモンのバランスが悪いとか、更年期とか、心配事のストレスと言われる方が、気持ち的にはそのうち治るか?みたいに思えるが、
病名がつくと、心配が増してますます重篤になって行く気がする。

私自身も、心の病を持病として捉えて来たが、
40年を越えても、仕事も無事に終え、大病にもならずに、ここまで生きて来れたことを思えば、本当に「心の病」にかかっていたかは、疑問である。

ひょっとしたら、誰にでもある普通の症状だったかもしれない。
病気なんだと思えば思うほど、不安が募り、病気になってしまう病気である。

厄介な自分が、病気を作り上げて行く。