飽和状態になっていた気圧が、
いきなりのスコールで、
ガス抜きが出来て、正常になった。
おかげで、
部屋の中で、渦を巻いていた、
得体の知れないものも、消えた。
幽霊が見える体質ではないし、
未だ、見たこともない。
しかし、
不快感は敏感に感じる体質で、
「しんどいから、寝ちゃってたわ!」
ではないから、かなわんのである。
私の歳では、
「侍の幽霊が見えた」
など言おうものなら、
すぐさま、脳神経科に運ばれる。
肉体のどこかで、
メソメソシクシクしている、もう一人の自分。
その子が、ややこしいものと相対して、
私の肉体に、引っ張り込むのである。
「もう一人の自分など、捨てるか」
とは思えず、
私の本質である「核」であるなら、
ますます、大切に扱わなくてはならない。
震える様に、ビブラートする意識、
繊細な神経が、見えないものを見せたり、
会えないものと、出会わしたり、
ドラマの挿入歌の様に、
人生の山場を、作ってきたのである。
何よりも、美意識や美学を見極めてくれる。
アーティストの様に、
発散できるテクニックがあれば、
惑うことはないのである。