人道的な輪の中で、
病院も施設も、
365日、24時間稼働である。
看護師や介護士が、
患者数、利用者数に対して、
必要な人員基準が決まっており、
満たしていなければ、ベッドが空いていても、
どんどん、入院、入所はできないのである。
医療崩壊とどこの病院も、
大変な現場になってる事は、
手に取るように、わかるのである。
高齢者は、病気になると、
コロナに関わらず、重症化する。
若い人は、自力があるので、
食事、排泄、着脱など、
最低限、体力があれば、自立している。
高齢者は、治療以外の介護が必要となり、
2時間ごとの、おむつ交換、
褥瘡予防の2時間ごとの体位変換、
身体を清潔にする清拭、着替えなど、
看護師は、注射を打ったり、
医療行為だけではないのである。
一人の患者の、おむつ交換など、
紙おむつを変えればいいだけではない。
衣類から、シーツまで、
状況によっては、全て交換。
その時には、
全身が汚れていれば、
動けない人の着脱は、
どんなベテランでも時間がかかる。
ましてや、
感染する人への、完璧な行為、
ケアする方も、動きの悪い防護服。
想像を絶する現場が、見えてくる。
終わりのない事態に、
使命感だけでは、出来ないこともある。
コロナ感染に驚愕し、
恐怖と不安は、現場に携わる人間は、
一般人以上である。
壮絶な現場の中で生まれる、
責任感と使命感は、
目の前に、生死を彷徨う患者が、
いるからである。
マニュアルに沿って、
自分のポジションをやり抜くしか、
彼女たちの思考にはない。
医療も介護も、
一人では決して、出来ない作業である。
ドクターから事務職の人まで、
決められたシステムの中で、
「あうん」の呼吸で連携する。
その人道的な輪の中で、
生命は守られてゆく。
現場を知る人間は、
これ以上、
「がんばれ!」とは、言えないのである。