心臓が止まるほどの恋の想い出

子供の頃から、

書くことが好きで、

お手紙を書き、

物語を書き、

絵を描き、

漫画を描く少女であった。

 

身の回りで起こったことも、

他人事のように、文章にする。

喜びも、悲しみも、

書いていく内に、

昂る感情を紙が、すべて吸い取ってゆくので、

書いたら終わる!

 

心の防波堤のように、書くことで、

深い傷も、切ない思いも、

文章の中に閉じ込めてきた。

 

70数年生きて、振り返れば、

今も、ブログで一人遊び。

姿形は、歳を重ねるが、

何故か、感性だけは変わらない。

 

しかし、残念な事に、

どんなに想像力を持ってしても、

紫式部源氏物語

つまりは、恋愛小説が書けないのである。

 

温かなお風呂に入って、

まぶたを閉じて、

若い頃まで、

タイムスリップしても、

恋しい人が、一人もいない。

 

夫とは、

結婚はしても、恋はしていない、

花の学生時代、

ボーイフレンドはいたが、ただの友人、

職場では、

企業戦士ばかりで、相手にもされず。

 

古い話であるが、

私の男性像は、

アンソニー パーキンスか、

アラン ドロンであったので、

周りの男性を、よーく見てなかったかも!

チャンスを逃していたかも!

 

今は、婆さんでも、

皆若い時は、当たり前にあったので、

一つや二つの恋物語は、あるらしく、

「旦那には秘密やけどね」

と、羨ましい話を聞かされる。

 

もう、

とっくの昔に女を閉店、

終わってしまってから、気づいても、

後の祭りである。

 

お金でもなく、

安定した暮らしでもなく、

子供でもない。

 

女性として生まれて、大切なものは、

ドキドキと、

心臓が止まるような恋の想い出。

一つくらい作っておく事!

だったかもと、深く後悔している。

 

それさえ、経験していれば、

恋愛小説が書けてたかもしれない。

若い女性達には、

おおいに恋をしてもらいたいと、

願ってやまないのである。