決して、光は消えない

近い将来、

確実に来ると言われている南海トラフ

今は、コロナ渦の影に隠れて、

メディアも、取り上げる様子はない。

 

1月17日、

忘れもしない阪神大震災

あの頃は、

伊丹飛行場の近くに住んでいたので、

「飛行機が落ちた!」

と言う程の衝撃で、飛び起きた。

 

家からどう逃げだしたか、定かではないが、

気がつけば、私と飼っていた犬だけが、

庭の真ん中に、立っていた!

 

家族も無事ではあったが、

玄関脇の一部屋が、消えていた。

何が起こったか、暫くは呆然としたまま、

一日を過ごしたのを、覚えている。

 

時間が経つにつれ、

解明されてゆく悲劇に、目を覆ったが、

命も家も残った私が、すべき事を

即座に把握して、動き出した。

 

ガラスの破片だらけの部屋を片付け、

家が倒壊した知人達を、迎え入れ、

温かなお風呂を沸かし、

食事の用意をして、

疲弊した人達の為の避難所となった。

 

あれから26年が過ぎて、

阪神間も、すっかり元気を取り戻したが、

家族を失なった人達からすれば、

あの日のまま、時間は止まっている。

 

人生は、

幸せな時間は長く続かず、

不幸せな時間は、安定して続いている。

 

しかし、

震えるほどの、悲しみの中でも、

太陽が昇り、目覚めた朝に、

生命力が蘇る時がある。

 

「生きよう!」

と、誰かが、私を見守り支えている。

泣いている私の背中を、

笑っているもう一人の私が、

優しい手を添えている。

 

人は、どれほどの逆境の中でも、

生きていけると、信じる事である。

少しずつ、埃を払い、

静かに、痛みを取りながら、

真っ直ぐ前を向いて、歩き出す。

 

コロナ渦の中でも、

南海トラフが来ても、

どんな時も、

 

この世に人がいる限り、

見守り、応援してくれる人は存在する。

その事さえ、忘れなければ、

決して、光は消えないのである。