静かな夜の戸張を、突き破る様に、
非常地震警報が、鳴り響く。
一瞬の恐怖に、足がすくむ。
頭の隅っこの、
「阪神大震災」のトラウマが蘇る。
東北の大地の宿命は、
人の力では、止める事は不可能である。
常に危険予測を立てながら、
完璧な防災マニュアルを、備えて、
迎え撃つしか、手立てはない。
生きて行く上で、
なくてはならない電気が閉ざされ、
世界の果てまで、繋がっていたはずの
電子機器が、不能になる。
今時、
蝋燭とラジオが、命をつなぐ道具だて、
まるで、戦時中の様な有り様に、
ますます、この国の遅れが露呈する。
何処の国にも、弱点はあり、
強さに変えていかねばならない、
家を失い、人が亡くなり、
金銭的支援だけでは、決して救われない。
国の「強さ」は、
簡単に作られるものではなく、
根本的には「個人の強み」が、
反映される社会にならなければ、
達成はないのである。
世界が変容するこのチャンスに、
国民の「生きがい」や「幸福度」
を見直し、社会の支援や教育で、
これからの若い人たちの「強み」を、
共に考えていかねばならない。