誰かを助ける為の命

時々、

「死んでもいいか」と、思うことがあるが、

まだ、「死にたい」とは、願ってはいない。

 

歳を重ねて、「老い」を、意識しだすと、

「死」は身近になる。

最近の若者達は、

歳に関係なく、強く自分ごととして、

捉えて、命を自ら落とす人が多くいる。

 

どの時点から、

「死」が、他人事から、一線を越えて、

実行に踏み込んでしまうのか。

ジワジワと悩む時期の中で、

いきなり、生の世界を切り落とす様に、

遮断してしまう。

 

まだまだ先のある若者が、

儚い陽炎の様な美しい心を持ち、

存在そのものが価値あることを、

知らなかったのか、失ったのか、

 

永く生きて来た大人からすれば、

計りしれない程の、悲しみと切なさに、

襲われる。

「絶対」という約束のない、世の中で、

全ての人に訪れるのが、「死」である。

 

諦めにもなるが、希望にもなり、

「私だけが、何故に」

「私みたいな人間は」

必要とされてる事も知らず、

愛されている事も知らず、

知る前に、自らの手を離してゆく。

 

人類は、

常に、「生と死」の境界線に立っている。

死の瞬間までも、自分の命と人生。

これ以上、貴重なものは、

この世には存在しない。

 

愛おしく、大切なものは、

自分だけで、輝くものではない。

人の手で、磨かれて、輝いていく。

 

人間だけが、人を救える、

唯一無にの生命体である。

誰かを助けるために、

自分の命はあるのかもしれない。